瞑想に関する10の危険な俗説【瞑想の誤解/正しい知識】

本当のところ、瞑想ってどんなものなんだろう? 

健康にいいとも言われるが、そう思っているだけなのかも。こうした疑問に対して、瞑想に関する本を執筆している医師ノーマン・ローゼンタール博士(ジョージタウン大学医学部の精神医学教授)が米国CBS NEWSの記事(10 dangerous myths about meditation)のなかで答えている。

彼は、超越瞑想の実践者であり、瞑想に関する10の俗説を上げて、次のように述べている。以下は、その記事の抄訳。

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俗説1:瞑想とは、ニューエイジの戯言?

瞑想は、一般に新しいものでなく、数千年も前からあるものです。効果が証明されていない心や体の療法とは異なり、瞑想の効果は広範囲にわたって研究され、不安感やうつ傾向の減少など特定の効果があることがわかっています。特に、超越瞑想は、アメリカや他の先進国の一番の死亡原因となる心臓血管疾患の危険性を下げたり、血圧を下げる効果があることが知られています。

高血圧に対する超越瞑想の効果:科学的な研究高血圧に対する超越瞑想の研究は、次の2つの点で優れているといえます。
1. 高血圧は治療が難しいのですが、高血圧に対する超越瞑想の研究では、はっきりした結果が現れました。
2. 高血圧に対する超越瞑想の効果は、非常に高い質の研究によって確認されています。

米国国立衛生研究所(NIH)は、アメリカ政府の研究機関の一つであり、研究の質が非常に高いことで知られています。
NIHが助成金を出すのは最も質の高い研究に限られていますが、超越瞑想の研究に対しては、これまでに2400万ドル以上の助成金を交付してきました。そうした援助によって、心血管疾患の最大のリスク要因である高血圧、インスリン抵抗性、動脈硬化に対する超越瞑想の効果に関する研究調査が行われてきました。

Hypertension 26: 820–827, 1995

例えば、こちらは127人のアフリカ系アメリカ人を対象にした研究です。研究を開始した時点での被験者の平均血圧は、179/104 mmHgでした。
被験者たちは超越瞑想(TM)を行うグループ、リラクセーション・テクニック(段階的筋弛緩法)を行うグループ、生活スタイルの重要性についての健康教育を受けるグループの3つのグループに無作為に分けられました。研究者は、どの被験者がどのグループに入っているか知らされませんでした。
3カ月後、TMグループの血圧は10.7/6.4 mmHg下がりましたが、対照グループでは大きな変化は見られませんでした(p<.0003)。リラクセーション・グループもわずかな血圧の減少が見られましたが、その減少はTMグループの1/3程度でした。

俗説2:瞑想は、宗教である?

確かに瞑想は多くの宗教の信奉者によって実践されています。しかし、瞑想自体は、信仰を必要としないテクニックであり、どのような宗教を信奉している人であっても、信条に反することなく瞑想することができます。

俗説3:瞑想する人々は、カルトに属している?

カルトとは、人々に何かを強制しますが、瞑想には何の強制もありません。瞑想とは、思考や精神を解放し、自立させるために行うものです。

俗説4:瞑想は、リラクセーション法である?

瞑想は、ただ単にソファーに座ったり、ベッドに横になるのとは違って、脳に特定の化学変化を生み出すことがわかっています。例えば、超越瞑想によって、脳にプロラクチンと呼ばれる心を静めるホルモンが放出されます。また、仏教の瞑想法は、左前頭部の脳波を活性化しますが、その領域は肯定的で楽天的な感情と関係しています。

瞑想は、幸福感をもたらす直接的な方法ー幸福ホルモンの増加

ストレスは、脳の正常な機能を阻害し、とりわけ「幸福ホルモン」と呼ばれるセロトニンを減少させます。セロトニンが減少すると、内面の幸福感が減少するだけでなく、偏頭痛、睡眠障害、不安、怒りの爆発、アルツハイマー病、摂食障害、依存症なども起こりやすくなります。深い瞑想の体験は、体に備わる治癒力を目覚めさせることで、脳の正常な機能を徐々に取り戻していきます。

BUJATTI, M., and RIEDERER, P. Serotonin, noradrenaline, dopamine metabolites in Transcendental Meditation technique. Journal of Neural Transmission 39: 257–267,1976

この研究結果では、超越瞑想の実践中にセロトニンの産生量が増えることが確認されました。さらに超越瞑想の規則的な実践を続けていくと、1日を通じてセロトニンの産生量が増えるということが明らかになりました。

俗説5:瞑想は、足を組んで座る?

瞑想を効果的に行うためには、その瞑想が快適である必要があります。ある人にとっては、結跏趺坐と呼ばれる足を組む姿勢が快適かもしれませんが、それが快適ではない人は、倚子に座ったり、楽な姿勢で瞑想することができます。ある種の瞑想法では、歩きながら行う場合もあります。

俗説6:瞑想には、時間が必要だ?

ある人々は、特定の時間、瞑想するように勧めていますが、時間の長さに関係なく、瞑想は大きな助けとなります。例えば、超越瞑想の場合には、1日2回、20分ずつ瞑想するので、合計40分の時間が必要です。しかし、そうした時間をとることで人生が効果的になるのです。より大きな静けさや活力に満たされたり、時間の使い方が効率的になるので生産性も高まります。

俗説7:瞑想は、自己流でできる?

もちろん誰でも目を閉じて、静かに座っていることができます。しかし、それでは、たいした効果は望めません。瞑想法とは本来、正しいやり方を学んで習得する技術なのです。

俗説8:瞑想のやり方は、本で学ぶことができる?

瞑想のやり方を教える本はたくさんあります。しかし、そうした本でさえ、瞑想の秘訣を教えてくれる人がいると助けになることを認めています。もし、心と体に対する効果が十分に研究されている超越瞑想を学ぶとしたら、個々人の体験に合わせて教えることができる教師から学ぶ必要があるのです。

俗説9:瞑想の効果を得るには何年もかかる?

超越瞑想の場合は、数カ月で生理的な効果が現れ始めます。人によっては、たった一回瞑想するだけでも、気持ちが楽になります。

不眠症に対する超越瞑想の効果:科学的な研究

Scientific Research on TM, Collected Papers vol 1: 41 pp 296-298

カナダのアルバート大学で行われた、不眠症に対する超越瞑想の効果を調査した研究では、不眠症患者のグループが、超越瞑想を学ぶ前の30日間、学んだ後の30日間、60日間、90日間の各期間に、眠りにつくまでの平均時間を記録しました。
その結果、眠りにつくまでの平均時間は最初は75.6分でしたが、最後の期間では15分にまで短縮され、その時点で安定しました(p<.001)。長期的な結果を見るために1年後に行われた調査でも、眠りにつくまでの時間は約15分で安定していました。

俗説10:瞑想には、努力が必要?

ある種の瞑想法は、行うのが大変かもしれませんが、努力の要らない超越瞑想の実践は、簡単で楽しいものです。ですから、私自身、めったに瞑想を抜かすことはありません。規則としてではなく、毎日の大切な日課を欠かしたくないからです。それはちょうど朝食や歯磨きを欠かしたくないのと同じです。

Source:10 dangerous myths about meditation CBS NEW

ノーマン・ローゼンタール博士が超越瞑想について語る

ノーマン・ローゼンタール博士
「米国のベストドクター」の一人である精神科医。ジョージタウン医科大学教授。ワシントンDCで30年以上、開業。国立精神衛生研究所にフェロー、研究員、上席研究員として20年以上勤務。同研究所で、季節性情動障害(SAD)を発見しその治療法を開発。うつ病治療への貢献が評価され「アンナ・モニカ財団賞」を受賞。「米国消費者研究委員会」の「米国トップ精神科医のガイド」にも紹介されている。100以上の学術論文があり、一般向けにも、『季節性うつ病』(講談社現代新書)、『超越瞑想 癒しと変容』(さくら舎)などの著者がある。

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