マーティン・スコセッシ監督が超越瞑想について語る「それは変化を生み出した」

マーティン・スコセッシは、映画界で最も絶賛されている監督の一人だ。1942年にニューヨークで生まれ、子供時代はひどい喘息持ちで大人しい子供だった。青年時代の大半は一人で映画を見ることで過ごし、高校卒業後は1年間カトリックの神学校に入り、神父になろうとしていた。その後、大学に行くことを決意し、有名なニューヨーク大学映画学部に入学。そこで彼は、フランスやイタリアのニューウェーブや独立系映画制作者たちから大きな影響を受けた。

タクシードライバー、レイジング・ブル、キング・オブ・コメディ、グッドフェローズといった映画によって、スコセッシ監督は世界で最も強烈な、強く心に訴える映画制作者として、その名を確立した。

スコセッシ監督は2010年12月、ニューヨークのチャリティー・コンサートにビデオによるメッセージを送った。このコンサートは、デヴィッド・リンチ財団が主催したもので、トラウマ性のストレス(PTSD)に苦しむ人々を支援するために行われたものだ。

そのなかでスコセッシ監督は、次のように述べている。

「昼も夜も、たくさんの衝撃的な事件が、私たちの意識や心のスクリーンの上に映し出されている。子供の頃に身に付けた思考パターン、恨み、憎しみ、恐怖……。それに対する人々の共通の反応は、苦境に絶え、苦悩することだ。これまでの人生で私は常に苦しんできた。私の映画は血の気が多いものだが、それらは人生の苦悩を表現しているといえるだろう。それでも最近私が学んだことは、人はそれほど苦しむ必要はないということだ。人生とは、私たちが思うほど苦悩に満ちたものではない。

この数年間、私は超越瞑想の実践を続けている。瞑想が私の生活にもたらした影響について話すのは難しいが、簡単に言えば、心の落ち着き、明瞭さ、バランス、認識力を得たことだろう。それは私の生活に変化を生み出した。」