オマー・アクラム──文化の壁を越え、心揺さぶる優雅な音楽の源泉

音楽は、文化の壁を越えて世界平和を生み出すことができるかも知れない──オマー・アクラムは、それが可能だと思わせてくれる。今年グラミー賞を受賞した彼は、アフガニスタン系米国人のレコーディングアーティストで、しばしば「文化の外交官」と呼ばれる。なぜなら、彼の心を揺さぶる優雅な音楽は、戦争で荒廃した国と国の間に残る古い傷をゆっくりと癒すための助けになっているからだ。

「情熱と優雅さ、冒険とくつろぎ、美しさと生の土臭さの融合」と表現されるアクラムの音楽は、ピアノ、バイオリン、ギター、フルート、ペルシャ・ネイ、世界の打楽器を用いた演奏を特徴とし、彼の多文化的背景が活き活きと反映されている。国連外交官の子息だった彼は、子ども時代に世界中を回り、アフガニスタン、キューバ、フランス、スイス、チェコ共和国、その他多くの国々から音楽的影響を吸収しながら育った。

「私が出会ったすべての文化が私の音楽に影響を与えている」とアクラムは話す。

「文化間の意思疎通や相互理解が難しいこともある環境の中では、私は、楽器同士を互いに語り合わせるようにします。それが、どのような文化の壁も越える方法なのです。」

人々に感動を与え、心を一つにさせるその仕事から、アクラムは、『ザ・カイト・ランナー』という小説(映画「君のためなら千回でも」の原作)の著者、カーレド・ホッセイニと同等の役割を、音楽の世界で果たした人物と称されることがある。

アクラムの2007年のアルバム『シークレット・ジャーニー』はニューエイジ・ミュージックのヒットチャートを12位まで上がり、2012年のアルバム『エコーズ・オブ・ラブ』はグラミー賞ニューエイジ部門で最優秀アルバム賞を受賞した。グラミー賞を受賞したアフガニスタン系米国人は彼が初めてである。

アクラムによれば、彼の創造性の最大の源泉が超越瞑想によって得られている、という。彼がTM(超越瞑想)を始めたのは5年ほど前だが、そのころ彼は創造性の行き詰まりを感じ始めていて、ある友人からTMを試してみるよう勧められた。以来、TMは物事を順調に運ぶための助けになっていると言う。特にレコーディング・スタジオで長時間の作業する日が何日も続くときには役立っているそうだ。

最近、オマー・アクラムはRYOTニュースのインタビューを受け、作家のクリストファー・カプラン氏からの質問に答えて、彼が実践する超越瞑想の効果について話をした。(以下はそのインタビューの抜粋)

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Omar-Amrak

──あなたが長年にわたり創造性を発揮してきた過程で、TMはどのように役立ちましたか?

アクラム:TMをするたびに確実に一歩ずつ創造性の源に近づいています。私は、ほとんど毎回そのように感じています。デヴィッド・リンチは、それは「大きな魚を探す」ようなものだと言っていました。言い換えれば、水面からより深いところまで到達するということです。私自身の内側のより深いところに行くことができれば、大きな魚をつかまえること、つまり、大きな創造的アイデアをとらえることができるのです。まったくそのとおりです。大きな創造的アイデア──私がそれを見つけるのをTMが助けてくれています。

──レコーディング・スタジオの中にいるとき、あなたはTMをしていますか?

アクラム:1日に2回するよう努めています。朝に1回、夕方に1回です。それは創造性を発揮する上でも、また、次のアルバム『デイタイム・ドリーマー』の制作のストレスや期限に対処する上でも、大きな助けになっています。

TMをすることは一日の針路を定めるようなものです。スタジオに入るとすぐに少しの時間をとってTMをするようにしています。日中に瞑想の時間をとるのはなかなか難しいのですが、それを日課にしています。朝にTMをすれば、その日はずっと集中できるし、すべての物事をきちんと順序づけることができるので、何をやるべきかがはっきりと分かります。そして夕方にTMをすると、私がその日行ったすべてのことをよく吸収し、心をもう一度リフレッシュできます。

──デヴィッド・リンチが最近行っているTMを支持する活動についてどう思いますか?

アクラム:彼が行っていることは実に素晴らしいと思います。それまでTMに縁がなかった学校の生徒やその他の人々にTMのことを知ってもらおうと本当に頑張っているからです。一度TMを試してみれば、人々はそれがどれほど有益なものであるかに気づきます。

Omar+Akram+Smile

──TMは子どもや学生の役に立つと思いますか?

アクラム:私が知っている一つの問題は、子どもたちが物事になかなか集中できないことです。特に現代では子どもたちが非常に多くのメディアにさらされていることが、その原因になっているのでしょう。

いったん子どもたちがTMをするようになれば、それは彼らにとって大きな助けになると思います。彼らは瞑想の価値がわかり、そして集中できるようになります。最初のうち彼らは自分が何をしているのか、なかなか理解できないでしょうが、適切な指導があれば正しく身につけることができます。瞑想は子どもたちの創造性を高めるのに役立つだけでなく、彼らの学校活動のあらゆる面を向上させ、彼らの自尊心を改善する助けになると思います。

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以下の動画は、オマー・アクラムの『ラン・アウェイ・ウィズ・ミー』のレコーディングの模様を記録したライブ映像です。

原文・Christine Schrum