ビーチボーイズのハーモニーを生み出した生活スタイル──マイク・ラヴのインタビュー

多くのミュージシャンに影響を与えてきたビーチボーイズが、今年、デビュー50周年を記念してワールドツアーを開始した(2012年4月)。日本でも8月に来日予定だ。

創立メンバーの一人、マイク・ラブは、今でも年間150回のコンサートを精力的に行っている。ビーチボーイズの決して平穏とは言えない状況のなかで、彼の音楽活動を支えてきたのは、音楽活動と同じくらい長く続けてきた超越瞑想であった。

瞑想によって健康的な生活スタイルを維持することで、ビーチボーイズのハーモニーを生み出してきたと、アイルランドの The Mayo News のインタビューで語っている。(以下は記事の抄訳)

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──ビーチボーイズが結成されて50年になりますが、あなたはどこから、こうした活動を続けるエネルギーを得ているのですか?

マイク・ラヴ:私は1967年12月に、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーから超越瞑想を学びました。それ以来ずっと、瞑想を続けています。長い瞑想を体験したこともあり、創立時のメンバーだったアル・ジャーディンと一緒に、TMの教師にもなりました。

超越瞑想は、シンプルで、自然で、努力のいらない瞑想法です。瞑想すると、リラックスして、深い休息が得られます。実際、超越瞑想は、睡眠で得られる休息よりも、二倍深い休息が得られると言われています。とても安らいだ状態になり、活力を取り戻します。そうでなければ、精神的にも、肉体的にも、消耗して、ずたずたになってしまうでしょう。超越瞑想は、本当に素晴らしいものです。私は飛行機に乗っているときはいつも、目を閉じて瞑想しています。すると、目的地に着いたとき疲れ果ててしまうことはなく、快適な状態を保つことができるのです。

瞑想は、睡眠の代わりになるものではありませんが、明らかに大きな助けとなっています。ともかく、私には効果があります。だからこそ毎日、続けているのです。マハリシから超越瞑想を学ぶことができて、本当に感謝しています。瞑想は、様々な面で役に立っています。

私達は、1960年代にヒッピーが行っていたような常識外れなことはしません。もし、あなたがボーカルのグループであれば、瞑想の効果にすぐ気づくでしょう。ビーチボーイズはボーカルのグループなので、声のハーモニーを常に大切にしています。もし酒やタバコにふけったり、自己破壊的な生活をしていれば、ハーモニーを奏でることはできません。ですから、私たちは無理のない形で、適度な生活スタイルを維持しています。

──超越瞑想を学んで、あなたはビートルズと一緒にインドに行きましたね。それはどんな体験でしたか?

マイク・ラヴ:私は、1967年12月にパリでマハリシからTMを学びました。そして、翌年の2月に、インドに行きました。ビートルズもそこにいましたし、他にもドノヴァンやミア・ファローがいました。実は、そこでは超越瞑想の教師養成コースが行われていたのです。私が初めてインドに行ったとき、まだ瞑想の初心者だったので、それが教師養成コースであることを、よくわかっていませんでした。瞑想を始めてわずか1〜2ヵ月だったからです。それでも、マハリシは私をインドに招待してくれました。私は「他のメンバーは行くかどうか分からないけど、自分はそこに行く」と言いました。それは、私の人生にとって最も素晴らしい時でした。

ある日、朝食を食べていると、ポール・マッカートニーが、アコースティック・ギターをもってきて、「やあ。マイク。新しい曲を聴いてくれないか」と言いました。そして、バック・イン・ザ・USSR(懐かしのソ連に帰ってきた)のオリジナル・ヴァージョンを歌ってくれたのです。「マイアミビーチから、BOACでひとっ飛び〜♪」。それで私はポールに言いました。「きみはこの曲の中で、ロシアのすべての女性について語るべきだ。僕達がカリフォルニア・ガールズの曲の中で、世界中のすべての女性について語ったようにね」。そして彼はそうしたんです。

──あなたは、瞑想して自分の内側に深く入っていき、人生が今どの方向に向かっているのかを考えるのですか?

マイク・ラヴ:その通りです。さらに瞑想することで、よくないものに引き込まれることがなくなります。瞑想は、お酒を飲んだり、マリファナを吸ったり、麻薬をとったりするよりも、はるかに効果的なストレス解消法です。人々は、自ら進んで瞑想しようとします。よい気分になれるからです。超越瞑想は、誰でもできる心の自然なテクニックです。深いリラクゼーションと、より広い視野を与えてくれます。

実際に瞑想を行ってみれば、よいものだとわかるでしょう。誘惑は至る所にあります。私の家族の中でも、いとこのデニス・ウィルソンのように、アルコール中毒や、様々な麻薬中毒になった人もいます。そして、1983年に彼は溺死してしまいました。39才の若さでです。もう一人のいとこのカールも、12年前に肺癌で亡くなりました。彼は13才の頃からタバコを吸っていました。このように、私たちが選択する生活スタイルが、私たちの健康や幸福に大きな影響を与えています。ですから、私は常に瞑想をすることを選択し、適切な生活スタイルを選択してきました。それで、私たちビーチボーイズは、50周年の記念日を迎えることができたのです。

1960年代は、ビーチボーイズにとって、非常にわくわくするような10年間でした。非常に素晴らしい出来事が起こり、また、いくらか深刻な問題が起こりました。例えば、いとこのデニスが、悪名高い連続殺人犯と一緒に暮らしていたようにです。それはあまり、よいことではありませんでしたが、それと同時に、マハリシと会い、瞑想を学んで、インドに行きました。また「グッド・バイブレーション」の曲が大ヒットして、それがイギリスでナンバーワンになりました。1966年に行われたイギリスの人気投票では、一番人気のあるグループに選ばれ、2番目がビートルズ、3番目がローリング・ストーンでした。それは素敵な出来事でした。明らかに、ビートルズより成功したグループはいませんが、そのときの達成は、私達にとってとても素晴らしい出来事です。

──あなたは思慮深い人のように見えますが、あなたの人生に対する哲学はどのようなものですか?

マイク・ラヴ:音楽における私の哲学は、肯定的なものを強調することだったと思います。長年にわたって、世界には問題が存在し続けています。ベトナム戦争があり、統合の問題があり、経済の浮き沈みや、個人的な浮き沈みがあります。家族の問題、病気、死、そして、この惑星が人々に示している、非常に挑戦的な出来事もあります。しかし、私は常に肯定的なものに目を向けてきました。

ビーチボーイズが歌い始めたのは、心のハーモニーを奏でるためだったと思います。お金のためではなく、音楽を作ることが楽しくてね。ハーモニーの温かさは、人生において肯定的なものに注意を向けることからやってくると思います。かっこいい車、素敵な恋人、学校やスポーツや友情の素晴らしさなど、私たちは、常に肯定的なものを強調してきました。そうした肯定的な曲を作ってきました。

世界には数え切れないほど問題がありますが、そうした問題について力説しても、惨めな思いをするだけです。超越瞑想は、それを乗り超える助けとなります。否定性に捕らわれている状態を超えて、より肯定的な態度を保つことで、物事を変えていくことができます。1年間に150回のコンサートを行う私達にとって、そうした肯定的な態度は非常に価値あるものです。

■The Beach Boys Do It Again – 50th Anniversary Edition


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