人間の内側深くには、無限の幸福がある──マハリシ

1968年にカナダの公共放送が、超越瞑想を紹介したマハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(超越瞑想の創始者)の番組を制作した。

番組のなかでマハリシは、風光明媚なルイーズ湖を前にして、心も湖のように深みがあると例えている。心の表面では、さざ波立っていても、その深みには深い静寂(無限の幸福)が湛えられている。超越瞑想によってその場を体験すれば、心の全潜在力が活用できるようになると、解説している。

その番組のマハリシの言葉と、ビデオをご紹介しよう。

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超越瞑想の原理は、単純です。すなわち、「存在」は本質として至福であり、無限の幸福である、というものです。心はいつも、幸福が拡大する方向へと動いています。それはだれもが経験していることです。心がどこに向かっているとしても、幸福がより大きくなる方向へと動いているのです。内なる「存在」の本質は至福であり、無限の幸福なので、超越瞑想中、心は、もっとも自然な形で、内側へと向かう道を進んでいきます。

超越瞑想をするとき、私たちは、心を集中させたり、コントロールしたりしません。私たちは、心がその自然な本能に従って、より大きな幸福に向かうようにします。その結果、心は内側へと入っていき、「存在」の中で至福意識を得るのです。

この瞑想法は次のように行います。私たちは個々人に適したある特定の想念を用います。それはマントラと呼ばれる、それぞれの人に適した音です。そのマントラは、訓練を受けた超越瞑想の教師から受け取ります。超越瞑想の教師は世界中どこにでもいます。私は正しい訓練を通して教師を養成しました。そして教師たちは、瞑想を学ぶ人たちそれぞれに適した言葉を与えます。それを受け取った人たちは、その音の想念を体験し、その想念を微小なものにしていきます。その過程で、その想念がより微細になっていくのを体験し、やがて想念の源が探りあてられ、意識する心は「存在」の超越的な領域に到達するのです。

つまり想念の粗大な状態から、想念の微細な状態を経て、想念の最も微細な状態に達するのです。これが、超越瞑想中に、意識する心が至福意識(超越意識、純粋意識、「存在」の状態)に到達するまでの道のりです。

このとき心は「存在」の状態の中で、エネルギー、知性、そして至福に浸されます。その状態を保ったまま瞑想から出てくると、この世界が前よりもずっと素晴らしくなっているのを体験します。

深みを帯びた湖の色、さざ波のそよぐ湖面、そして美しい陽の照り返しを見ていると、私は内なる生命の物語を思い出します。

心には湖のような深さがあります。湖面のさざ波は、意識する心、つまり心の表面の活動を表しています。そして湖のもっとも深いところには静寂があります。それは心の潜在意識の層であり、そこにある水は波によって使われていません。しかし、波のうねりが深くまで達して、湖水のより静寂な層を取り込むことができれば、その波は大海の波のような力強さを得ることができるでしょう。これが超越瞑想中に起きていることです。意識する心の表層での活動が深まり、心の内深くにある潜在意識の層を取り込みます。さらに実践を続けると、潜在意識の中に隠された層はなくなります。心の潜在意識の層がすべて意識されるようになると、その人は心の全潜在力を使い始めます。

──マハリシ・マヘーシュ・ヨーギー(1968年6月、カナダ・ルイーズ湖)