知識を入れる器 = 意識 を拡大させることで学習能力を高める

両親の多くは、自分の子供にアメリカで最高の教育を受けさせるために、何千マイルも離れた場所からアイオワ州南部の小さな町へと引っ越して来る。1974年に開校した、このマハリシ・スクールには、現在、幼稚園から高校まで約300人の生徒が在籍している。

マハリシ・スクールは一つの成功物語だ。生徒は、全米で行われている成績評価の試験で、常に上位の成績を収めている。コンピューターサイエンス、歴史、スピーチ、詩、演技、音楽といった様々な競技会で、数多くの賞を総なめにし、生徒の学業レベルの高さが、全国の新聞記事で何度も紹介されている。この注目される教育法を視察するために、これまで世界中から何百人という人々が訪れた。

マハリシ・スクールの生徒たちは、表面的には他の学校と同じように見える。しかし、この学校の成功の基盤はもっと内に隠れたレベルにあった。それは、他の学校では見られない、生徒自身の意識を開発する独自の教育法だ。

教育には二つの重要な側面がある。それは、学習するための知識と生徒の能力だ。現代のほとんどの教育は、知識を情報として提供するだけで、生徒自身の学習能力を高めることは二の次にされている。現代の教育に欠けているのは、まさに生徒自身の学習能力の開発だ。

マハリシ・スクールでは、生徒の潜在力と創造性を開発するために、マハリシの超越瞑想を採用している。超越瞑想とは、一日二回、10分から20分実践する、簡単で自然で努力のいらない精神的テクニックである。

マハリシ・スクールの生徒たちは、学校の一日の初めに、静かに椅子に座り、目を閉じて超越瞑想を実践する。数分後、生徒たちは目を開くと、微笑み、伸びをする。生徒たちの表情は、以前よりも明るく、鋭敏で、安らいでいるように見える。

生徒の一人のゲイリーは言う。

「ざわついて落ち着かない時でも、超越瞑想を始めるとしだいに心がはっきりしてきて、深い静寂を体験します。この時、とても安らいだ気分を感じます。超越瞑想のおかげで、元気がでるし、頭の冴えた状態が一日中続いています」。

超越瞑想を行うと、生徒は心が静まり、落ち着いた状態を経験する。瞑想中に経験する、この落ち着いた意識状態は「純粋意識」とか「超越意識」と呼ばれる。

マハリシ・スクールの創設者であり、意識の領域の科学者として知られているマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーによれば、この「純粋意識」「超越意識」が、エネルギー、創造性、知性、至福の源であり、生徒はこの場を経験する度に、内側から湧き上がる至福、エネルギー、創造性を高めている。

心が鈍いときや、眠気を感じているときは、集中力や理解力が低下し、学習意欲もなくなる。その反対に、意識がはっきりしていて、すべてに注意がいきわたっているときには、知識に対する理解も増し、勉強も楽しくなる。超越瞑想は、知識を入れる器である生徒の意識を拡大させることで、学習能力を高めているのだ。

学習面だけではない。マハリシ・スクールの生徒は、人格的な側面でも大きな成長が見られる。多くの生徒が、友達と仲が良くなった、思いやりが増した、自信が増した、幸福感が増した、といったことを体験している。

小学生を担任しているドリ・ジャクソンは、次のように言う。

「私は、この学校の生徒が、他校の生徒と大きく異なっているとは思いません。ただ、より正常なだけだと思います。彼らはごく普通の子供たちですが、実に素晴らしいことに、彼らは創造的であり、他の人々とうまくやっていくという点で、非常に優れた能力を示します。彼らには、創造性、知性、調和、至福いった、すべての子供たちに表れていてほしい性質が、ただ表れているだけなのです。」

こうした超越瞑想の効果は、700以上もの科学的研究調査によって確証されている。例えば、次のような効果が生徒に見られる。

● 学業成績の向上
● 知性と創造性の増大
● 記憶力と学習能力の向上
● 活力と鋭敏さの増大
● 集中力の向上
● ストレスと不安感の減少
● 道徳的判断力と社会行動の向上
● 幸福感と自信の増大
● 自尊心と自己概念の向上
● 自己実現の増大

マハリシによると、人間の成長にはゴールがあり、それは、古くから「悟り」として知られた高次意識の状態である。この高度に発達した生命(実は、本来あるべき正常な人間)においては、人は自身の全潜在力を扱えるようになる。マハリシ・スクールに訪れた人なら誰でも、これは単なる理想ではなく、マハリシ・スクールの生徒たちに起こっている現実なのだと感じることだろう。