超越瞑想が米国インディアンのストレスを軽減し、糖尿病をなくす

米国のインディアン居留地では、超越瞑想が糖尿病を減らすために利用されている。医師のアハメド・モハメッド氏は、ウィネベーゴ(ネブラスカ州)の住民の66パーセントがII型糖尿病または前糖尿病に罹っていると推定する。II型糖尿病は、ストレス起因であることが研究で明らかになっている。先住民がTMを学ぶことで、ストレスが軽減され、症状が改善されていることを、インディアン・カウントリー(2012年2月1日)が報告している。

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ウィネベーゴのワーナー・アースさんは、ときには血糖値が500 mg/dLを超えていたという(正常値は70~120 mg/dL)。TM(超越瞑想)を数か月実践した後、アースさんの血糖値は正常値になった。「私はTMに夢中です」とアースさん。

ロサンゼルスにあるシーザーズサイナイ・メディカル・センターが2006年に行った研究では、TMを実践する人々は血圧が有意に下がり、血糖値とインスリン値が改善したことがわかった。

「特別居留地で生活することは、貧民街で生活するよりもストレスが多いことを示した研究を読んだことがあります。ドラッグ、アルコール、暴力に加えて、私たちには部族の駆け引きというストレスがあるのです」とプロスパー・ウォーコンさんは語る。

ウィネベーゴ族に所属するウォーコンさんは、その特別居留地にTM教師を招くことに尽力している。彼がTMを紹介されたのは、その居留地出身の優秀な生徒たちのグループを教えていた2004年のことだった。生徒たちは、文化関係のクラス旅行の行き先を一つ選択することを許されていたので、アイオワ州フェアフィールドにあるマハリシ経営大学への旅行を選択することにした。それは、ウィネベーゴから300マイルほど離れたところにある、1974年にマハリシによって創立された大学だ。

その大学の学生や教師と話し合った後、ウォーコンさんと彼の生徒たちはTMの指導を要請した。2005年11月、TMプログラムの教師がウィネベーゴのパブリックスクールを訪れ、100人以上の管理職員、教師、生徒に瞑想のテクニックを指導した。その後5年間で、第8学年から第12学年までの300人以上の生徒がTMを学んだ。ウォーコンさんによると、その学校では瞑想を実践している生徒の欠席率が25パーセント減少するとともに彼らの共通テストの成績が上がったと報告された。

しかし、高齢の部族民も対象となったウィネベーゴ・インディアン病院での研究が行われた後、インディアン居留地でTMを最も必要としているのは糖尿病患者であることを各部族の人々が理解した、とボンチェフさんは語る。その研究を行っていたとき、モハメッド氏は、規則的に瞑想する患者はヘモグロビンA1Cの平均値が低下し、その結果身体が糖尿病と闘いやすくなっていることに気づいた。「ストレスと緊張にさらされるとインスリン抵抗性が増大し、身体はインスリンを有効に使うことができなくなります」とボンチェフさんは説明する。

マハリシ経営大学への最初の旅行後まもなく、ウォーコンさんは高齢者数人をフェアフィールドに連れていってTMを習わせた。その高齢者たちは、血糖値と血圧が低下しただけでなく、彼らが忘却していた伝統的な歌のいくつかが記憶に甦ってくるようになったと報告した。「TMは彼らが聖なるものに再び触れるのを助けてくれました」とウォーコンさん。

聖なるものに触れることは、インディアンの人々を癒す重要な手段になるとウォーコンさんは主張する。それは糖尿病に関してだけでなく、先住民を悩ませるその他の病気に関してもだ。薬物依存、暴力、糖尿病は、伝統的な精神性との触れ合いを喪失した結果生じた症状なのだと彼は言う。

ボンチェフさんは、「TMは心をそれ自身の内側深くに連れていって有益な変化を起こすことにより、心と体がより強く成長するのを助けます」と話し、TMプログラムの目的はこの知識をインディアンのコミュニティに持ち込むことにあると付け加えた。「そうすれば部族民たちは、どこで、どのように、その知識を利用すべきかを判断するでしょう」

現在、ウィネベーゴのコミュニティーでは、アースさんを含めて約50人がTMを規則的に実践している。「私は糖尿病で4人の家族を失いました」とアースさん。「私の両親は二人とも脚を切断しました。そんなことが私の家族に起こってほしくないのです。TMが私たちを救ってくれるのなら、私は家族のためにそれを求めます」

原文:Indian Country(2012年2月1日)抄訳