瞑想が私の助けになるとは思わなかった……

ニューヨークに住むシングルマザーのエニフェル・ジャロシクさんが、超越瞑想によって苛酷な現実や子供の頃のトラウマを乗り越え、本来の自分をとりもどしつつあると語っている体験談です。

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エニフェル・ジャロシク

いくつかの理由で、私は超越瞑想(TM)を学ぶ気にはなれませんでした。ヨガを熱心に行っていたので、瞑想に関する本はたくさん読んでいたし、瞑想のコースにもよく参加していたからです。瞑想については十分知っているという自信があり、TMが実際に私の助けになるとは思いもしませんでした。

皆さんも、そんなふうに考えていませんか。せっかく貴重な宝石を見つけても、それを手に取ろうしないのは、「自分はすでにたくさん宝石を持っている」とか、「全く同じものを持っている」と考えているからです。しかし、超越瞑想を学んだ経験と、実際にそれを続けてきたことで、私の考えはすっかり変わりました。超越瞑想は私の人生を変えただけでなく、私の命さえも救ってくれたからです。

私は、ネブラスカ州の農場で育ちました。アルコール中毒だった父は、いつも口汚い言葉で人を罵り、時には、それが暴力になることもありました。母は、そうした父に巻き込まれ、問題を長引かせてしまう共依存症であり、母もときどき子供に暴力をふるうことがありました。

両親が離婚したのは、私が14才のときです。父と母との間で板挟みとなった私は、家族みんなの心の痛みを強く感じました。それ以来、時には母と暮らしたり、姉や父と暮らしたり、ついには祖父母の家に引き取られたり……。こうして家族中を転々としてきたので、家庭生活はいつも不安定でした。

弟を自動車事故で亡くしたのは、22才のときです。愛する人を失うことが、これほど大きなことだとは思いもしませんでした。それ以来、摂食障害や睡眠障害などさまざまな症状に苦しみ、飲酒やうつ病と闘う日々が続きます。その頃、私は素敵な男性と出会いました。少なくとも、最初はそう思ったのです。そして、子供ができ、ニューヨークに移り住むことに。しかし、彼の本来の性格が現れて、虐待が始まると、警察、刑務所、法廷を通した闘いとなり、最愛の息子は、しばらく養護施設に預けられることもありました。

ニューヨークで未婚の母となった私は、心に傷をおった息子と自分自身の生活を維持するだけで精一杯でした。私には、家族の助けも、経済的に支援してくれる人もいません。いつも児童保護局を頼って、毎日を生き延びるために必死でした。

息子を幼稚園に預けた後、仕事に行かなくてもよい日は、家に帰って、極度の疲労のためにベッドの上で気を失うこともありました。疲れているにもかかわらず、夜は眠れない日が続きます。毎日の苛酷な状況が心にのしかかっていたからです。

時間があるときはいつでも、ストレスを和らげて、健康を取り戻すために、ヨガのクラスに通っていました。時には、ただマットの上に横になり、レッスン中、泣いていたこともあります。正直言って、ヨガすらうまくできていませんでした。もし私のことを親身になって面倒をみてくれた「天使のような友だち」がいなかったら、私は今ここで、この文章を書いてはいなかったでしょう。

私の人生のなかで、このような荒れ狂った時期に、一人の友だちが私に超越瞑想を紹介してくれたのです。

最初は不安に感じましたが、初めて瞑想した後、私は大きな違いに気づきました。心が落ち着いて、私に常につきまとっていたトラウマ性のストレスの症状が消えていったのです。少なくとも、それから解放されるときがありました。夜も少しずつ眠れるようになっています。

もちろん一晩で、状況が変わるわけではありません。変化を生み出すためには、時間と労力が必要です。それでも、超越瞑想を行うことで、私はもう一度、自分の人生で本当に大切なものに集中できるようになりました。

私は今、本来の自分を取り戻しつつあります。ときどき過去の記憶がよみがえって、自分は不十分だと感じることもあります。それでも、TMをすると、自分の中心へと立ち返って、あふれ出る考えや不安感を静めることができるのです。何かに圧倒されたり、誰もわかってくれないと感じても、もう自分を孤立させることはありません。

他にも、文章を書くときに、よいアイデアが浮かぶようになりました。こうした変化も、TMのお陰だと思っています。何度も行き詰まったり、プレッシャーを感じることなく、言葉が私を通して流れ出てくるようです。

私の人生全体の質が変わりました。周りの人たちや息子との関係もよくなり、人生を本当に楽しむことができるようになったと感じています。

Source:
I Was Certain I Knew What Meditation Was And That It Wouldn’t Benefit Me (By Jennifer Jarosik)

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