ファッション界を裏側で支える真のトレンドとは?

華々しいファッション界でも、その裏側では緊張やストレスと格闘しなければならない。これに対処する最善の方法は、物事を表面で扱うのではなく、もっと内深くにある精神性を高めることにあった。今や多くのモデルやデザイナーが瞑想を行い、その恩恵を楽しんでいる。そう、ファッション界では瞑想こそが真のトレンドなのだ。

米国のヤフー・スタイルのブログでは、こうした最近のファッション界の変化をヘアスタイリストのハリー・ジョシュ(写真の男性)のインタビューを交えて報告している(以下は、その記事の抄訳)。

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「以前と同じ出来ではダメなんだ」とハリー・ジョシュは言う。彼は、ジゼル・ブンチェン、リリー・オルドリッジ、オリヴィア・マンのような有名人のヘアスタイルを担当している。それは、厳しいファッション界のなかでもプレッシャーの多い仕事だ。「この仕事は、非常にストレスが高く、不安定で競争が激しい」と彼は言う。「代わりの人間はたくさんいるし、そうした人達は僕らが失敗するのを待っているんだ。」

友人のモデル、ナテイン・ボードローは、ストレスを減らすために、彼に瞑想を勧めた。ジョシュは興味を持ったが、本当に効果があるのか疑っていた。「僕の心が静かになることは、決してなかったからね。尋常じゃない量の仕事を抱えているので、瞑想のために時間を無駄にすることができなかったんだ。」

ナテイン・ボードロー

しかし、瞑想を教えるデヴィッド・リンチ財団で、ファッション及びアート業界のアドバイザーをしているボードローに勧められ、ジョシュは瞑想を試してみることにした。彼はリンチ財団の4日間のコースに参加し、自分だけのマントラをもらった(マントラとは、瞑想中に心の中で繰り返す言葉または音のこと)。そして、1日2回20分間の瞑想を行うようになった。

「おお、すごい!」1年後に彼はそう思った。「瞑想が僕の人生を変えたんだ。今はみんなが僕にこう言う。ストレスがないようだね、いつも楽しそうだよ、ってね。スタジオにいても、昼休みにはトイレに行って瞑想することにしている。エネルギーを充電して戻って来るんだ。」

瞑想によって、彼は穏やかになっただけでなく、より創造的になった。

「最近、有名なファッション雑誌から、ある大女優を使って1920年代のボブスタイルを作ってくれと依頼された。」彼はその女優について「もともと彼女は僕を全く信頼していなかった」と話す。しかし、瞑想しているとき、彼はこの女優をその気にさせるアイデアを思いついた。「流行のスタイルにカットした素晴らしいカツラを思いついたんだ。それが彼女の気持ちを変えた。それはすべて瞑想から生まれたものだ。」

ジョシュ一人だけではない。ダナ・キャランやクリスティー・ターリントン・バーンズのようなファッション界の大物でさえ、瞑想の効果を絶賛している。今やファッション界では、誰もが瞑想しているかのようだ。それは、ヨガや断食等の爆発的な流行と同じようにも見える。

「誰かが友達二人に伝えて、その友達がまた二人の友達に伝えた」とジョシュは言う。「ファッション界の人達は皆ジムに通っているけど、瞑想は脳のフィットネスのようなものだよ。」

最近では、ファッション界の誰もがデヴィッド・リンチ財団(DLF)に通っているようだ。この財団は瞑想を教える非営利団体であり、2005年にツイン・ピークスの制作者によって設立された。そこでは、超越瞑想(TMともいう)と呼ばれる瞑想法を教えている。ファッション界の人達は、1日に2回、20分間行う、このシンプルで簡単な瞑想法を好んでいるようだ。財団の理事長であるボブ・ロス氏によると、ニューヨークとロサンゼルスにある財団のオフィスを訪れるファッション関係者の数は、過去6ヶ月だけで500%も増加しているそうだ。

デヴィッド・リンチ財団の理事長ボブ・ロス

「ファッション界には明らかにストレスが蔓延している」とロス氏は話す。財団は、帰還兵、生活苦の女性、スラム街の子供達など、ストレスを癒やしたいと望むすべての人々に瞑想を教えている。(財団は、仕事を持つ人からは料金を取り、そのお金を仕事ができない人々のために還元している。)

もちろん、家庭内暴力を受けたPTSD患者や、イラク帰還兵のストレスと比べるのはバカげたことだが、不安でいっぱいのビジネスエリート達にも瞑想は効果があるようだ。

「時が来たのよ!」とダナ・キャランは言う。ファッション界が瞑想を受け入れたことをどう思うか彼女に聞いてみた。「昔は多くの人がヨガと聞くと、足を頭にからみつけているイメージがあったけど、今はヨガとは、混乱の中でも自分自身を見つけ、自分を確立するものだと知っているわ。ヨガと瞑想の両方でそんな風になるのよ。」

デヴィッド・リンチ財団で瞑想を学んだニアン・フィッシュは、カルバン・クライン、トリーバーチ、ビクトリア・ベッカムなどのファッションショーをプロデュースしているファッション界のベテランだ。

「ファッション界では、物事が速く進みすぎるの」、そして「業界の人間が千倍も、物事を速く進ませている犯人なのよ。」「私達は常に新しいもの、新しいもの、新しいものを探していて、ファッション・セレブに追いつこうとしている。自分の時間はまったくないわ。私は何か別のものを求めて瞑想しているの。」(彼女にしても、前回のファッションショーの期間は、毎晩1時間から4時間の睡眠時間しか取れず、全く瞑想できなかったと語っていた。)

ニアン・フィッシュ

デヴィッド・リンチ財団は、ファッション界に瞑想の種を植えつけたようだ。特にTMは、モデルにとって助けになっている。彼女たちの自己評価は、しばしば仕事のキャスティングによって決まるからだ。最近、アメリカ・ファッション協議会の健康サミットで、カバーガールのモデルをつとめたキアラ・カブクルが語っていた。2000年に起きた交通事故によって彼女は頭を怪我し、キャリアを中断しなければならなかったが、その感情的なストレスを瞑想が助けてくれたという。(その後の顔面再建手術により、彼女は2008年モデル業に復帰した。)

「ある時私は、精神的な健康にとって睡眠以外では瞑想が最も重要だと気がつきました」とカブクルはヤフー・スタイルで語っている。彼女は、長年複雑な瞑想を続けていたが、ごく最近TMを始めた。「TMは最もシンプルな瞑想法で、マントラを覚える以外何もしなくていいんです。」

キアラ・カブクル

瞑想とは正確には、どのようなものなのか? 多くのファッション関係者は、ロス氏の言葉を引用する。ロス氏は毎日の絶え間ない心のつぶやきを瞑想状態と比較して、「これをしなきゃ」とか「彼女の言ったことは本当だろうか??」といったつぶやきは海の表面の波のようものだと説明する。瞑想することで、揺れ動く心の奥深くにある静かで穏やかな状態に入り込むことができる。この状態に達するには、邪魔な考えを無理やり追い払うのではなく、自分のマントラを内側で繰り返して、考えを受け入れることだ。マントラとは言葉または単なる音のことである。

「自分自身を見つけるのに、努力やストレスは必要ない」と米国ファッション協会会長のスティーブン・コルブは言う。彼はいつも朝起きてすぐに20分の瞑想を行い、午後はオフィスのドアを閉めて、2回目の瞑想を行う。「どこに行っても瞑想できる場所を見つけて、やるようにしている。」

米国ファッション協会会長、スティーブン・コルブ

疑うわけではないが、古くからある地味なイメージの瞑想と、ナルシスト的で表面的価値を重視するファッション界を結びつけて考えるのは難しい。この業界では、みんなが一つの健康法に夢中になっても、すぐにさめて別のものが流行るからだ。また、信じがたいのは、瞑想が業界人を天使のようにやさしい人物にすることだ。厳しいファッション界の人々は、今やTMを絶賛している。(明らかに、ヨガではそんなことは起こらなかった)。瞑想は、ファッション界を穏やかにするだけでなく、素敵にする力を持っているのだろうか?

カブクルは説明する。なぜファッション関係者が瞑想を始めるのかが重要ではなく、彼らが何から抜け出したかが重要なのだと。「他の人達がしているからという理由で始めたとしても、瞑想すれば人生は変わるのよ。」

原文・Tim Murphy by YAHOO! STYLE


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