創造性は努力して引き出すものではない──リー・チェスナット

米国バーモント州バーナンドを拠点に活動しているリー氏は、現在、ユニバーサルミュージック・グループ傘下でヒットチャート上位の曲を送り出しているレーベル、パブリック・レコーズのコンサルタントとして全米を回っている。その旅行の途上で彼は時間を見つけては瞑想を行っている。それは、ステージやスタジオで鳴り響くサウンドと対照をなす完全なる静寂の時間だ。

『ザ・ヴォイス』は、NBCが放送する大人気の歌唱コンテスト番組で、公開オーディションでシンガーの卵を発掘することを特色にしている。

Lee-Chesnut「思考、判断、意見、それらすべては、私が役割をしっかりと果たすために安定させなければなりません。安定しているときにはじめて私の受容力が最大限になり、提示されたものを聴くことができるからです」と、音楽コンサルタント兼プロデューサーのリー氏は彼の仕事について語る。

 

●創造性は努力して引き出すものではない

 
──リーさんは現在、どのようなプロジェクトに取り組んでいますか。

リー・チェスナット: 2011年にNBCの『ザ・ヴォイス』という番組の最初のシーズンが始まったとき、パブリック・レコーズはその番組を私に担当させました。それがここ4年間に私がやってきたことです。

番組が出場者を選んでいるとき、私はツアーに出ています。シンガーたちが番組に出た後、番組が放送されている期間に、私はそのシンガーたちがiTunesで販売しているすべての曲をレコーディングする作業に携わります。

それから最後に、私たちはそのシーズンの優勝者となったシンガーと一緒にオリジナル曲のアルバムを製作するのです。

──そのような才能ある若手シンガーと仕事をしているとき、あなたにとって最高潮に達するのはどういう時ですか。印象に残る、「ワォ!」というような瞬間は?

リー:この仕事で最も満足のいく時は、出演者が怖れ・不安・アガリから解き放たれ、演じる喜びに満たされるように手助けができることです。「頭で考えるのはやめて、その瞬間に没入しなさい」と。

──あなたは超越瞑想(TM)をもう1年以上実践していますね。音楽とTMは相性がいいように思います。TMを実践しているミュージシャン、ソングライター、プロデューサーがたくさんいますからね。

リー:確かに何らかの繋がりがありそうですね。瞑想は静寂に浸る時間をもつという実践です。そのときに瞑想者は「自己」の創造性や純粋な潜在力に最も接触しているのだと、私は思っています。

アーティストだけでなく、例えばアスリートが、「ゾーン体験」について語っているのをよく耳にしますよね。瞑想をすると、そのゾーンに入ることができるか、少なくとも、そこに入るチャンスをつかめると思います。そうなると物事がスムーズに流れはじめます。

それが、創造性に関して私が気づいたことです。創造性は、強引に、緊張して、あるいは懸命に努力して引き出すものではありません。それより大切なのはリラックスして、自分を解き放つことであり、そのとき創造性は自然に溢れだしてくるのだと思います。以前読んだトム・ペティのインタビュー記事で、彼は作曲を自分の手柄にすることにほとんど罪悪感を感じると述べていましたが、それは曲がどこから生まれてくるのかを彼が本当には知らないからだと思います。

 

●瞑想──自分にとって自分の体験こそが最も重要

 
──瞑想をして落ち着いているとき、「ゾーンに入っている」と感じますか。

リー:私は瞑想するときはいつも、最初のうちは少々混乱して苛立っているのを認めなければなりません。心が落ち着くのにしばらく時間がかかります。

私の性質は──私の占星学の誕生チャートで双子座の太陽、双子座の月、双子座の水星がほとんどすべてアスペクトを形成しているのを見てもそうなのですが──始終何かを考えていることです。花から花へと飛び移って落ち着きのない蝶々のようです!(笑) ですから瞑想を学んだことは間違いなく、私にとって興味深い体験でした。それはほとんど私の性質に逆らっているように思えました。

それでも、私の心のもっと深い部分はすぐにこう考えました、「よし、いいだろう。それが私の心の働き方だ。しかし私の心はただの道具ではない」と。心は支配者でもありません。私は自分の心の働き方やその有効性を高く評価しているのですが、心を静止させて落ち着くことができるテクニックを学んだこともありがたく思っています。超越瞑想は私を落ち着かせ、冷静にしてくれます。それは本当に、とても、とても素晴らしいことです。

──では、あなたは「20分間の憂鬱」を克服したのですね。つまり、20分間座って何もせずにいるよりも、「もっと役に立つ」ことがたくさんできるじゃないかという、あなたの心の囁きを。

リー:はい。特に、私が瞑想を学んだ最初の頃、その声を黙らせるのに大変苦労しました! 瞑想を始めると決まってその声が入り込んできて、価値ある貴重な時間が浪費されているじゃないかと言い張りました。ですが、そのうちに、その声が聞こえてきたときには、ただ微笑んで、その声が流れ去っていくのを眺めていられるようになりました。

──それは素晴らしい、実に賢明な対処の仕方です。あなたは、そのようなとても自然な抵抗を受け入れようという観点から捉えたのですね。その声が来るにまかせて、それと戦ったりなどせず、より深いところから生じる直感があなたに命じることをひたすら続けたのですね。

リー:瞑想を実践するときに重要なのは、私の理解するところでは、物事をあるがままに受け取るということです。物事をありのままの姿とは違ったものにしたいと願っても、何も変わらないでしょう。

白状してしまうと、最初の頃、TMを始めた人たちの体験談を読んでいると、時には嫉妬を感じることがありました。初めて瞑想をしたときどんなだったかという体験談を時々読むことがありましたが、その人たちは、瞑想を始めるや否やどんどんと深く入っていき、それは素晴らしい超現実的な体験であったと語っていました。そういうものを読んで、私はとても羨ましく思ったものです。

瞑想を始めたばかりの頃、私は、「おいおい、きっと自分はあまり進化していないんだな。そんなこと私には全然起こらないじゃないか」と思っていました。しかし、瞑想を続けていくうちに、私は次第にリラックスするようになり、結局のところ自分にとって自分の体験こそが最も重要なのだと悟りました。それがどんな体験であろうと、それはその瞬間の私にとってまったく完全なものなのです。

──10年後の今日、あなたはどのようになっていたいですか。それとも、あなたが今お話しになったことからすると、そのような計画をしても無意味だということになりますか。

リー:10年後にどうなっているか、あまり確信もって言うことはできません。私はいつも自分のハートの導きに従ってきたので、これからもそれが私を行くべきところに正しく導いてくれだろうと信じています。

──リーさん、とても素晴らしい、洞察に満ちたお話をありがとうございました。

 

並外れた音楽を見つけてプロデュースするリー氏の才能は、クリス・アイザックが1989年のシングル『ウィッキド・ゲーム』で突如として世界的な名声を獲得するのを後押しした。

彼はデヴィッド・リンチ監督の熱烈なファンであり、リンチ監督の最新作『ワイルド・アット・ハート』を観るために映画館に行ったとき、初めてその曲を聴いた。映画館から出てくるとき彼は、その映画のサウンドトラックに浸っていた。催眠術のように不気味なほど人を魅了するバラードはできるだけ大勢の観客に聴かせる価値があると考えていた。

当時、アトランタのラジオ局の音楽ディレクターであった彼は、業界の友人や知人に電話をかけることから始めて、たちまちのうちにアイザックの曲を全米でヒットさせた。歴史の気まぐれか、それは崩壊しつつあったソ連でテレビ放映が許された最初の「資本主義者」の曲の一つにもなった。その際、まったく邪悪な帝国の……というエンドタイトルが添えられていたが……。

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