PTSD(トラウマ性ストレス)の悪夢から目覚める

1991年の湾岸戦争で砂漠の嵐作戦や砂漠の盾作戦に参加したカルロスは、戦争の後すぐにトラウマ性のストレス(PTSD)に苦しみ始めた。

それから軍隊を離れての20年間、彼の人生は生き地獄であった。

「戦争後、私の人生は激しい浮き沈みに直面しました。戦争での英雄が孤独な狼となり、友人や二番目の妻、そしていまの三番目の妻や家族に対して、私は恐怖を与える存在となったのです。」

悪夢にとりつかれたカルロスは、義理の息子に激しい暴行を加えた。それを止めようと妻が叫び声をあげると、彼はやっと現実に戻った。この恐ろしい出来事の後、カルロスは投獄され、出所後はホームレスになり、フロリダのエバーグレイド国立公園でテント暮らしをしていた。

こうした状況の中でも、カルロスの妻は、彼を愛し、支え続けてきた。彼女の無条件の愛に気づいたカルロスは、彼女のために深い絶望感から這い上がる努力を始め、様々な治療法を探し求めた。怒りを制御するカウンセリング、PTSD治療、呼吸法を試してみた。多くの医師に相談し、教会に通って心の平安を求めた。それらはいくらか役にたったが、十分な効果は得られなかった。

2012年8月、カルロスは超越瞑想を学ぶことを決意した。デヴィッド・リンチ財団が行っているオペレーション・ウォリアー・ウェルネス計画の支援を受けて、無料で超越瞑想を学ぶことができた。そしてその時、彼は、長年にわたる悪夢から解放されるのをはっきりと感じた。

「超越瞑想の効果は、すぐにやってきた」とカルロスは語る。

「瞑想を学んだ最初の日に、私は車を運転して妻のもとに帰りました。ゆっくりと車を運転しながら、私の顔には自然に微笑みが浮かんでいました。家に戻って彼女にキスをしたとき、これまでとは全く違うキスだったと彼女は言いました。私の心はとても落ち着いていました。その夜は、この21年間で初めて、ぐっすりと眠ることができました。」

6週間にわたって瞑想を行ってきた彼は、これまでの人生で今が一番幸せだと語る。

「義理の息子は、家でも安心していられるようになりました。私の人生は神と共にあり、新しい友達もできました。私は自分の怒りをコントロールできるようになり、他の人とうまく付き合えるようになりました。自然を楽しみ、人生における新しい目標もできました。最初に瞑想したときからずっと、微笑みが耐えることはありません。」

彼にとって一番嬉しかったことは、TM(超越瞑想)の実習が妻との関係に大きな影響を与えたことだ。

「私はついに、本来の自分を取り戻すことができました。そして、私の美しい妻に、彼女が出会った残酷な人物の背後には、死ぬほど彼女を幸せにしたいと思う愛情に満ちた人物がいたことを示すことができたのです。いま私は、彼女に対する愛がもっともっと深まっているのを感じます。」

2010年に始まったオペレーション・ウォリアー・ウェルネス計画は、カルロスのようなPTSD(トラウマ性のストレス)に苦しむ軍人達に超越瞑想を提供してきた。

「このシンプルなテクニックによって、軍人達は彼らの人生を取り戻すことができるだろう」と彼は語っている。

原文・David Lynch Foundation